財団の設立目的
この財団法人は、美術家佐々木宏子の芸術を多角的に研究し、その真価を国内外に向けて発信するための事業を行い、世界の現代美術へ今後の指針を提示することを目的とする。
精神の重要性を提示してきた<青のあいだ> -無意識的な自然と意識的なもの- の為に、美術館又は恒常的に展示出来る空間を確保すること、海外美術館での<青のあいだ>の展覧会をすること、この二つの目的を実現する為に設立された。
The purpose of
SASAKIHIROKO FOUNDATION
We engage in studying the works of SASAKI HIROKO from various angles and showing the true value of her art to the world. We contribute to suggest guidelines for the contemporary art of the world.
SASAKI HIROKO has shown the importance of spirit by her works "Ao no Aida ― Unconscious Nature and Conscious Object", We established our foundation in order to open our museum or to arrange the place to show her works permanently, and to hold exhibitions in foreign countries.
<「青のあいだ」とは>
「青のあいだ」は精神性を重視した象徴的な捉え方の造形美であり、強靭なものをひらがなの「あいだ」で現している。
1965年20才の佐々木はルチオ・フォンタナ<空間概念>有から無に触発され、以来半世紀、無から有の造形思考に向かう。
コバルトブルー顔料一色、一つの技法、天地を暗示する一つの形で極限まで削ぎおとした抽象表現で希有な芸術領域に到達。
「青の精神—無から有 [Spirit of Blue ── U(有)from Mu(無)]」タブローとマニフェストを1977年の初個展で発表。カタログ(パリ国立図書館蔵1977年)に造形思考「無意識的な自然と意識的なもの [Unconscious Nature and Conscious Object]」を表明。
<青のあいだ:異素材・異技術・異表現>
異素材・異技術・異表現の中で最初に挑戦したのが1976年に発表したガラスオブジェであった。
1976年 微・塞・寂・紋 Glass obuject・Brass 50×45×2×4piece 西武アトリエヌーボー
精密実験器具の理化学ガラス工場に通い無色透明な酸素バーナーによるガラス制作を始める。その頃の日本のガラスと言えば器物か置物、クリスタルガラスの各務鉱三か色吹きガラスの岩田藤七が大家でした。そんな折、柳宗理先生が授業で告知してくれた現代アメリカガラス展を見た佐々木は数年アイディアを温めて、1973 年に遠縁の理化学ガラスの町工場に頼み込んで職人の隣でガラスオブジェ制作を始めました。研究機関からの複雑な製図を基に精密を極める実験器具作りの職人さんの隣で偶然性を取り入れたビードロの吹きガラスのようにいびつに吹き、職人さんが垂直にたつように足を吹いてのコラボでした。1976 年にガラスオブジェ2 人展を池袋西武アトリエヌーボーで開催、柳宗理は勿論、堤清二社長、多くの彫刻家、アーティストやデザイナーが訪れ、会場に駆けつけた岩田藤七氏はその後1979 年に小田急で日本ガラス展を開催し多くのガラス作家を輩出することになりました、今では美大でもガラスを専攻できるようになりました。1976 池袋西武アトリエヌボーで発表。
<パブリック・アートへの展開>
つがる西北五広域連合 つがる総合病院(五所川原市) 鹿島建設株式会社
1階ホワイエ設置 2点1対 Size W7000mm×H1500mm:500号2枚組
<教育活動>
女子美術大学共通絵画研究室に所属、絵画系以外の科の絵画指導を1967年ー2002年
写生・観察描写ー抽象化ー平面・立体に展開。「現代美術と現代音楽の共通性」講義。
女子美術大学 別科現代造形専修を立ち上げ「基本と精神」を重視した先端的美術教育を実践。美術界の第一線で活躍中の脇田愛二郎客員教授、戸村浩非常勤講師、吉江麗子特別講師、宮島達男特別講師、非常勤講師の後輩と共にスタートさせ2003 年から4年間実践。
OKUSAWA CONTEMPORARY ART AND DESIGN DOCUMENTS (2012-2013年)では、ジャンルを超えて全10回の企画展を開催、プロデューサー、ディレクターとして現代美術の啓蒙活動を行った。地域の小学生とその家族、地域住民の老若男女の人々への1流の現代美術、デザイン、現代建築を展示提供する試みを実践。